葉月抄19−8


妣の縫ふ姿浮かべつ浴衣解く
               直美
光り合ふ幽玄極む蛍の夜
               浩子
開墾の思ひ出巡る月見草
               康子
夜更けまで句作やうやく月見草
               恵里子
篝火に鵜匠の姿影絵なる
               葉
四葩咲く大毬小毬ころころと
               昭子
月見草老いのいやし子庭かな
               てる子

月見草妣と歩きし里の道
              順子
朝星をいただき家路月見草
              修一
出の遅き月にさきがけ月見草
              峰子
月見草並ぶ石仏照らすかに
              真代
梅雨しとと単行本に紙魚のあと
              慶子
月見草泣く子背負ひてあやしつつ
              敬子
寝転がる網戸にすれば蛍かな
              昴