水無月抄19−6


父遺す芍薬一花供華とせむ
               恵里子
トンネルを抜ける木曽路の青嵐  
               昭子
花桃の終へて静もる一軒屋
               慶子
「母の日」と今年も届く絆かな
               順子
今は昔田植の苦労思ひ出す
               昴
華やかな芍薬囲む母の忌日
               康子
芍薬や雨の重さをふり分くる
               真代
田水張る田を叩きたる下校の子
               久子 


雨あがり芍薬凛と玉光る
             てる子
里山の山吹藤の花盛む
              浩子
皇后の笑顔令和の若葉萌ゆ
              直美
双子なる曾孫の話柏餅
              峰子
芍薬や助けられ助けて齢過ぐる
              修一
語りつつ芍薬一花供へけり
              敬子
八橋をかぞえすすむ菖蒲寺
              日出子
心太「はじめました」と店先に
              葉