睦月抄19−1


寒鴉木の天辺に賢者振り
              峰子
寒がらす見下す野辺の石仏
              てる子
小春日の白無垢姿酔ひ極む
              日出子
寒鴉何を見付けて急降下
              久子
一列に橋の欄干冬鴉
              浩子
屋根の上スキップを踏む初鴉
              修一
初鴉神の御加護を信じつつ
              真代
母の忌や紅葉散りしく山の墓
              恵里子 


寒鴉芥溜めあさる番かな
              順子
初鴉地産地消と叫びけり
              康子
実南天たわわに垂れて紅零す
              敬子
一年を善きことのみに暦果つ
              葉
杉伐られ何処へ行きたる寒鴉
              昴
柚子風呂に両手伸ばしてグーチョキパ
              慶子
影絵なす夕日の似合ふ初鴉
              直美