文月抄18−7



葉うらより飛び出で来たる青蛙
                敬子
雨だれのモールス信号雨蛙
                久子
梅雨晴や一家揃うて上げる経
                昭子
鍬ふれば居場所をゆずる青蛙
                直美
今朝よりは飛び立つ稽古燕の子
                恵里子
夢も見ずぐつすりしたる昼寝かな
                昴
旅人の足どり軽く風薫る
                浩子
西瓜食ふほつぺ染めたる夕日かな
                康子   


心経の一言一句堂涼し
             てる子
並びたる盛り上り座すさくらんぼ
              日出子
蛍火の縦に横にと闇照らす
              慶子
足音に蛙飛び出し我も飛ぶ
              葉
青蛙谺は帰る木々さやぐ
              峰子
梅雨寒や骨折の手ままならず
              順子
葉隠れの忍びの技や青蛙
              修一
夏蛙母と歩きし田圃道
              真代