皐月抄18−5


若葉風車内に捕ふ無人駅
               葉
城山の風まるのみの鯉のぼり
               真代
若葉風五色幕ゆれ歩む稚児
               敬子
蟠り融かす初音のほーほけきょ
               恵里子
石室の千体仏に若葉光 
               峰子
水温む浅瀬に鯉の群れてをり
               昴
伐採の知らせを受けて散る桜
               昭子
大恵那を眺めつ姉と蕨取り
               慶子    

負けまいぞ山の若葉よ沸き滾れ
                 直美
つつじ山初めて吟行来し処
                 久子
コンサート出づれば頬に若葉風
                順子
濃淡の織りなす若葉里の海
                康子
桜鯛ずつしりと置くまな板に
               日出子
藤若葉一斉に房揺るるかな
               浩子
若葉風肩にまとひて街めぐる
               てる子
城若葉城百選の城下かな
               修一