師走抄18−12


飴色に味も玩味し煮大根
                峰子
塩漬けの大根間引き菜旬を食ふ
                浩子
日を背負ひ気合もろとも大根引
                修一
霧の城歴史を刻む投句箱
                康子
湖にいろは紅葉の散りにけり
                昭子
四斗樽に大根漬けて役果す
                久子
大根煮て帰国の息子待ちにけり
                順子
大根を刻む音よき目覚めたり
                敬子 



故郷へ母好物の大根煮る
              恵里子
小春日の勢ひつけて庭仕事
              葉
白秋や飛行機雲の西へ西
              直美
木の葉舞ふ友は終活はじめをり
              てる子
散歩道もみじに映ゆる赤鳥居
               昴
大根や煮てよし生よし里の味
               真代
柿干して豊な風情雲もなし
               日出子
恵那山をせびらに老夫大根蒔く
               慶子