睦月抄 18−1


団欒の雑煮を祝ふ笑顔かな
               浩子
間違いて一日早い柚子の風呂
               直美
明日への五つ調ふ雑煮椀
               恵里子
雑煮膳新たな一歩八十路踏む
               修一
太陽と真逆に昇る冬の月
               昴
六地蔵赤よだれ掛け春を待つ
               昭子
お雑煮の所変れば味変る
               順子
主逝き看板下ろす歳の暮
               慶子


切干のちりちりちぢむ軒の下
               敬子
お雑煮は丸餅どすと京ことば
               久子
木枯に強く生きよと背を押され
               てる子
今さらに凡の仕合せ雑煮食ぶ
               峰子
鍬杖にアルプス眺む寒日和
               葉
家風の味祝ふ雑煮の三世代
               康子
団欒と言へど二人の雑煮かな
               真代
回しのむ一碗の茶や冬銀河
               日出子