葉月抄17−8


               
蜘蛛の囲にきらやかなりし雨の粒
                 峰子
雷鳴を背ナに小走り帰り道
                 てる子
突然の大き雷畑に座す
                 久子
追憶の親父の声やはたた神
                 修一
遠雷や急ぎ家路へ畑しまふ
                 敬子
もくもくと互ひにくずす?き氷
                 順子
豆飯の香り朝餉の卓に満つ
                 恵里子
遠雷や母の在所の遠くなり
                 真代   

逆というあだ名の友やねじればな
                 昴
盆行事ルージュを淡く引きにけり
                  昭子
落雷に度肝を抜かれ座りこむ
                  浩子
ホームランの歓声聞こゆ夜涼み
                  直美
雷激し如何に在すと里の母
                  康子
あれに荒れ爪跡遺し梅雨明ける
                  慶子
妣植し夕闇に浮く百合の花
                  葉