皐月抄17−5



幼子と夕餉に添へる土筆摘む
               敬子
少子化のどこ吹く風やつくしんぼ
               修一
土筆好きの従姉妹来たるや玉子とじ
               恵里子
春風や航跡白き遊覧船
               昭子
筆の花今は使はぬ硯箱
               真代
庭攻めるやんちや坊主やつくしんぼ
               葉
幾久し本腰入れて土筆摘み
              峰子
土筆煮をそへし弁当車座に
              浩子
こもごもの喜怒哀楽や花の下
              和美


夢に見し花の饗宴天下人
               日出子
小手毬に風の絡みて揺らぎけり
               慶子
つくしんぼ光の中に摘む母子
               順子
藁くはへつばめ行き交ふビルの壁
               てる子
句敵の言の葉真似て桜詠む
               久子
つくしんぼがたごと響く明知線
               康子
槌ぶとん取られ動かぬ蛙かな
               直美
桜桃子句碑を眺むるつくしんぼ
               昴