観光俳句集第173集

雪どけを待ちはび醸す初しぼり
   鹿沼市      石井宗徳
酒蔵を開き賑はひ春きざす
   松戸市      倉本恵朗
車座に語り合ひたる春の夜
   浜松市      松井康男
大寒の碑文めぐりや言志録
   浜松市      伊賀和子
踏みしむる落葉も温し霧ヶ城
   浜松市      野島謙司
春秋を映して城下和紙雛
   西尾市      石田啓介
城下町往事を巡る雛祭り
   新城市      高井 照
岩村の駅丼旨し春の午後
   北名古屋市   石橋磨季
青葉立つふるさとの山父母の恩
   名古屋市     山浦美佐恵 


車窓の子視線は線路春の興
   春日井市     古荘智子
落葉散り岩村城址閑かなり
   可児市       可児清子
岩村の古い町なみ雛祭り
   瑞浪市       前岡琴音
甘酒のお代りをする梅花祭
   中津川市      村中欽二
今年また雛見て梅見て感謝して
   中津川市      山田功三
蔵開き女城主に酔ふ教師
   恵那市       三枝貞代
花冷えや城址への甃踏みへりし
   恵那市       西本紘美
ぬれそぼつ玉あじさいは開花まつ
   恵那市       阿部明子
さくら満つ手をつなぎ乗る夫婦連
   恵那市       西尾 功